当歯科医院では患者様の将来を第一に虫歯の治療と根管治療(歯の神経)に取り組んでおります。歯を残すために重要である根管治療においては、日本歯内療法に所属する院長によってていねいで精密な治療をこだわりを持っておこなっております。
できるだけ歯を削らない虫歯治療をします
歯を削る時は痛みの少ないよう心がけます
麻酔注射も痛みの少ないよう心がけます
個々の方にあった治療方法をていねいに説明します
歯の将来を考えた最良の治療をおこないます
虫歯は虫歯菌(虫歯の原因をつくる細菌群)による感染症です。
虫歯菌が原因となって歯が溶け、最終的には歯を失ってしまうとても恐ろしい病気です。
近年の調査によると歯を抜いた(抜歯)方の約75%が虫歯や歯周病です。
虫歯や歯周病は感染症という意味では風邪と同じです。本当は予防が可能なはずなのに虫歯や歯周病を患っている方は大勢おられるのです。
虫歯のこと、予防方法をきちんと理解して、
なんでも食べられる健康な歯を維持し、お口の健康とそれにともなう全身の健康を手にして、いつまでも若々しさを保ちましょう!
虫歯菌はほとんどの方のお口に生息している常在菌です。
しかし、生後間もない赤ちゃんは虫歯菌を持っていません。赤ちゃんは成長する過程で母子感染などによって感染するのです。
虫歯菌のエネルギーは私たちが食事でとった糖分です。
虫歯菌は糖分を分解してエネルギーとし、不要となった成分を老廃物として排出しています。
この老廃物には歯の大敵である酸が含まれています。
この酸によって歯が溶かされて起きるのが虫歯です。
ほとんどの方が持っている歯の大敵、虫歯菌・・・
では、なんで虫歯になる人とならない人がいるのでしょう?
虫歯菌が出す酸によって歯が溶けるのが脱灰です。
一方、私たちがもともと持っている歯を修復する能力(自然治癒力)を再石灰化といいます。
お口の中では、この脱灰と再石灰化が繰り返されているのです。
食事をするとお口の中の糖分が増え、虫歯菌の活動が活発になります。そして虫歯菌が排出した酸によって脱灰が始まります。
歯の表面のエナメル質からリン酸とカルシウムが溶け出し始めるのです。
しばらくすると、お口の中は唾液の持つ緩衝作用によって徐々に中性に戻っていきます。
そして、唾液に含まれるリン酸とカルシウムによってエナメル質が修復(再石灰化)され始めます。
食事と唾液の働きを中心に脱灰と再石灰化は繰り返されます。
極端な話しおやつなどの間食を一切せず、唾液がきちんと機能すれば虫歯のリスクはかなり減ります。
その反対に間食ばかりしていると脱灰の状態が長時間続くことになり、再石灰化の状態がほとんどなくなってしまいます。
その上、歯質が弱かったり唾液量が少ない体質だと・・・
このような方はおそらく虫歯も多く、将来はブリッジや入れ歯、インプラントなどにお世話になることになるでしょう!
図のように、間食ばかりしていると脱灰の状態が続き、再石灰化の状態がほとんどなくなってしまいます。
その上、歯質が弱かったり唾液量が少ない体質だと・・・
このような方はおそらく虫歯も多く、将来はブリッジや入れ歯の治療が必要になってしまうでしょう!
食事と虫歯菌の関係、脱灰と再石灰化のバランスの崩れから虫歯は進行します。
これらに個人の持つ資質が加わったものが虫歯のリスク(なりやすさ)です。
虫歯になりやすい、なりにくい、は虫歯リスクが関係しているのです。
虫歯の要因
虫歯になりやすい歯質 |
唾液量が少ない体質 |
虫歯菌の量 |
お口の衛生状態が悪い |
適切なお口のケアができていない |
食生活を中心とした生活習慣の乱れ |
食生活の乱れやお口の衛生状態の良し悪しは私たちの生活そのものです。
虫歯や歯周病は日頃の生活が深く関与する生活習慣病の側面も持っているのです。
キッチンやお風呂場など水周りにできる気もち悪いヌルヌルがバイオフィルムです。
無数の細菌が集まり形成したコロニーで、強い粘性を持ちバリアの役目も担っています。
お口の中では虫歯菌や歯周病菌がバイオフィルム(プラーク)を形成します。
バイオフィルムでは歯の再石灰化が期待できず、歯は溶かされていくばかりです。成熟して強固になると抗菌物質や免疫細胞もなかなか効きません。
虫歯を予防するためにはバイオフィルムの形成を極力抑え、歯の再石灰化の機能する環境が大切です。そのためには、毎日の歯みがきと歯科医院での定期的な歯の清掃が重要なのです。
多くの方は歯がしみたり痛みがあって、虫歯に気づくのではないでしょうか?
しかし、このような刺激は象牙質まで進行して起こるため、多くの場合歯を削ることになってしまいます。
虫歯を削らずに治すには早期発見・早期治療が欠かせません。
歯科医院で定期健診を受け歯を大切にする意識を持ちましょう。
CO:初期虫歯
歯の表面が白く濁ったようになり、エナメル質の透明感が失われた状態です。
歯科医院でないと発見できない虫歯ですが、歯を削らずに、また痛みのない治療ができます。
歯科医院での虫歯治療
患者様にあった歯磨きの法を説明して、歯質を強化するフッ素塗布をおこなうことで、歯の再石灰化が促進され自然治癒が期待できます。
歯科医院での経過観察(定期検診)とご自身での適切な口腔ケアができれば、大きな虫歯への発展はありません。
C1:エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶け始めた小さな虫歯です。
痛みを感じない虫歯のため、ご自身での発見はできませんが、この段階での虫歯治療であれば歯を削らない治療が可能です。
歯科医院での虫歯治療
C0の虫歯治療とほぼ同じで歯磨きの説明やフッ素塗布をおこないます。エナメル質が溶けているため経過観察をしっかりおこなうことが大切です。
虫歯が進行する可能性が高い場合は歯を削ることもあります。
C2:象牙質の虫歯
象牙質まで進行した虫歯です。歯髄(神経)に近づくにつれて歯のしみや痛みを感じるようになります。
象牙質はエナメル質より柔らかく虫歯の進行が早いため、歯を大きく削ることにならないためにも、早急な治療が大切です。
歯科医院での虫歯治療
虫歯に侵された象牙質を除去し、つめ物をします。
一般的にはレジン(プラスチック材)を詰める治療になります。
比較的大きな奥歯の虫歯は金属を詰める場合もありますが、ハイブリッドセラミックなど歯と同じ色の材質を詰めることもできます。2~3回の治療が必要です。
C3:歯の神経(歯髄)の虫歯
歯の神経に達した虫歯で大きな穴が開いた状態です。すでに歯の神経は死に、炎症(歯髄炎)している場合はズキズキと激しい痛みがあります。
歯科医院での虫歯治療
歯の神経を除去(根管治療)し、虫歯に侵された象牙質の除去をきちんとすることで、歯を助けることができます。つめ物やかぶせ物をして治療終了です。
C4:末期の虫歯
虫歯で歯の頭の部分(歯冠部)が溶け歯根だけが残った状態。歯の神経(歯髄)は死に痛みもありません。
歯根先端部に膿胞(袋状の膿)ができると、歯を残すことも困難になり、抜歯することもあります。
痛みがなくても無数の虫歯菌の住み家になっています。他の健康な歯を守るためにも早急な治療が必要です。
歯科医院での虫歯治療
歯根を生かせる場合はC3と同じ治療になります。
抜歯した場合は両側の歯を支えにブリッジをおこないます。2本以上歯がない場合は部分入れ歯になります。
コンポジットレジン充填法−最も一般的な保険適用の治療
光を照射することで硬化する性質(光重合)を持つ軟性レジン(プラスチック材)を詰める治療です。完全ではありませんが周囲の歯の色調にあわせることができ、また短時間に治療を終えることができます。
応用範囲が広く、欠けた歯の修復や盛り足しによるすきっ歯の改善などさまざまな用途で用いることもできます。
コンポジットレジン充填法のメリット
詰め物に比べて歯を削る量が少ない |
周囲の歯に色合いをあわせることができる |
非金属のため金属アレルギーの心配がない |
固形の詰め物と異なり歯型を採る必要がない |
最短1回の治療で終えることができる(状態によります) |
技量さえあれば修復が容易 |
欠けた歯の修復やすきっ歯の改善など応用範囲が広い |
保険を適用する場合は治療費が安価 |
コンポジットレジン充填法のデメリット
時間の経過による変色があり、長期的な見た目に難がある |
プラスチック材のため強度が弱いので適用場所が限られる |
欠けや割れたりすることがある |
基本的にコンポジットレジン充填法と同じ治療になりますが、詰める材料が軟性レジンにセラミックスを含んだハイブリッド樹脂材になります。
周囲の歯の色調に合わせるだけでなく、歯本来の透明感まで再現でき、見た目をより美しく仕上げることができます。
応用範囲もさまざまで、前歯など目立つ部分にお勧めの治療方法です。
メリット・デメリットともコンポジットレジン充填法とほぼ同じ内容になりますので、違いを列記します。
ダイレクトボンディング法のメリット
歯の透明感や光沢まで再現することが可能 |
コンポジットレジンと比べて長期的な変色がない |
コンポジットレジンと比べて強度がある |
オールセラミックスクラウンなどの修復材(補綴物)よりも安価 |
ダイレクトボンディング法のデメリット
プラスチック材混入の影響で多少の長期的変色がある |
強度はあるが欠けたり割れたりする可能性は否めない |
コンポジットレジン充填法よりも高価 |